フェアウェイでの意外なゴルフルール

フェアウェイでこうなった時のルール判定は?

ここではフェアウェイで起こる様々な状況での意外なゴルフルールについて紹介して行きましょう。

●別の球を使いフェアウエーで暇つぶしにバッティング

第2打地点のフェアウエー。
グリーンの空くのを待っていたプレーヤーは別の球を使って、フェアウエーでバッティングを行った。
本人には練習という気持ちはなく、単なる暇つぶしのつもりだったが……。

この判定は?
<2打罰>

ラウンド中、プレーヤーに認められている練習は、ホールとホールの間で、今プレーを終了したばかりのグリーン、練習グリーン、次のホールのティグラウンド上かその付近でのバッティングやチッピングの練習のみ(規則フ条−2)。
1ホールのプレー中にバッティング練習をすることは認められていない。
この場合、本人の意思が瑕つぶしであろうと、練習とみなされ反則の2罰打がつく。

●立ち木からグリーンまでの距離を同伴競技者に尋ねる

プレーヤーのボールがフェアウエーバンカーのすぐそばにあった。
プレーヤーはグリーンまでの残り距離を知ろうと、フェアウエーバンカーのすぐ上にある立ち木からグリーンまでの距離を同伴競技者に尋ねた……。

この判定は?
<無罰>

自分のボールがそのそばにあるときに、フェアウエーバンカーのすぐ上にある立ち木からグリーンまでの距離を尋ねる。一見、アドバイスを求めている反則(規則8条−1)のように思えるが、この場合、尋ねているのはあくまでもフェアウエーバンカーの上の立ち木という定置物からグリーンまでの距離。
ということは公知の事実を確認しているのにすぎないので、無罰でOKだ。
ホールの長さを尋ねているのと同じようなものと思えばいい。
どうやら、自分のボールからグリーンまでの距離も、「(ボールのすぐ横の)排水口から何ヤード?」など、いい方さえ上手にすれば同伴競技者から教えてもらえそうだ。

●ヤード杭の距離の正確さを同伴競技者に尋ねる

同じように残り距離を知ろうと、ヤード杭の距離表示の正確さを同伴競技者に尋ねたプレーヤーは反則になるのだろうか。
残り100Yのヤード杭のすぐそばにボールがあったので、プレーヤーは同伴競技者にこのヤード杭は正確か尋ねた……。
この判定は?
<無罰>

公知の事実はだれに確認したり尋ねたりしてもOK。
この場合、プレーヤーが尋ねた距離表示のヤード杭の正確さは、やはり公知の事実に含まれる。
したがってプレーヤーはこのように同伴競技者に尋ねてもアドバイスの反則にはならない。
よく、「このコースはヤード杭が甘い」などという会話がかわされるが、それは規則上、反則にはならないのだ。
確かに1クラブも番手が違うほど、距離表示の甘いコースも中にはあるようだ。
いつもより短い番手で届けばゴルファーの気分がよくなると考えているのだろうが、どうだろうか。

●地面から切り取られていないディボットを元に戻す

テイショットをフェアウエーに運んだプレーヤー。
だが、不運にもボールのすぐ後ろにディボットが。
よく見るとこのディボット、地面から完全に切り取られてはおらず、ショットでめくり上げられたようだったので、プレーヤーはていねいにそれを元に戻し平らにしてからショットした……。

この判定は?
<2打罰>

バックスイングするのに邪魔だからといって、ディボットを取り除けるかどうかは、そのディボットがルースインペディメントかどうかにかかってくる。
ルースインベディメントなら当然、取り除けるわけだが、この場合のディボットはまだ地面から切り取られておらず、固着しているからルースインペディメントではない。
したがってプレーヤーは意図するスイングの区域を改善したことになり、2罰打がつく(規則13条−2)。

●素振りで偶然、フェアウエーの自分の球を動かす

せっかくのフェアウェーからのセカンドショット。
何とかしてピンそばに乗せてバーディを。
そんな余計なことを考えて素振りをしていたプレーヤー。
ついうっかり素振りしたクラブが自分の球に当たってしまい動かしてしまった……。

この判定は?
<1打罰>

自分のスイングで自分のボールを動かしたのだから、ストロークとカウントしてそのままプレーを続行すればよさそうだが、このケースでは、プレーヤーはあくまでも練習スイングのつもり。
つまり球を動かす意思がなかったのだから、ストロークにはならない。
したがって1打にはカウントされないが、プレーヤーには自分のインプレーの球を動かしてしまった1罰打がつく(規則18条−2a)。
さらに、動かしたボールはリプレースしなければならない。

●風で動かされたボールをリプレースしてしまった

風の強い日のできごと。フェアウェーでグリーンの空くのを待っていたところ、突然、強い風が吹いて、目の前のボールが数センチ動いてしまった。
あわてたプレーヤーはボールを拾い上げ元の位置にリプレースしたが……。

この判定は?
<1打罰>

止まっている球が動かされたときに、それがプレーとは関係のない局外者によるものだった場合には、無罰でリプレースしなければならない。
しかし風は局外者ではないので、この場合は、球は風で動かされて止まった位置からそのままプレーを続けなければならなかった。
したがってプレーヤーはインプレーのボールを動かした1罰打がつき、その球は風に動かされた位置にリプレースしなければならない(規則18条−2a)。

●視界に入る同伴競技者の球を拾い上げてもらう

フェアウエーで偶然、プレーヤーの球と同伴競技者の球がすぐそばにあった。
ピンに遠いプレーヤーが先にショットしようとしたが、右斜め前にある同伴競技行の球が視界に入って目障りだったので拾いLげを要求した……。

この判定は?
<要求できる>

プレーヤーには他の球が自分のプレーを妨げると思ったときに、その球を拾い上げさせることが認められている(規則22条‐b)。
この場合の妨げとは、プレーの線上にボールがあるような直接的な妨げ以外にも、今回のケースのように精神的な妨げとなる場合も含まれる。
したがってプレーヤーはこの目障りなボールの拾い上げを要求できるのだが、同伴競技者もまた、拾い上げずに先にショットすることが認められている。

●足に力を入れると足下から水が染み出てくるので救済を受ける

雨の日のプレー中のこと。
あるホールでプレーヤーがボールに普通にアドレスしただけでは足の周囲にもボールの周囲にもカジュアルウォーターは見えなかったが、足に力を入れたら水が見えたので救済を受けようとしたが……。

この判定は?
<救済は受けられない>

確かに異常なグラウンド状態の中にカジュアルウオーターは含まれるから、カジュアルウオーターなら無罰で救済を受けられる(規則25条‐lb)。
だがプレーヤーは、足に力を入れて地面を押し、水が見えたのでカジュアルウオーターの救済を受けたいと主張している。
カジュアルウオーターとは普通にスタンスしたときに見える水たまりのことで、必要以上に足に力を加えて見えてきた水はカジュアルウオーターではないから、この場合救済は受けられない。

●ボールが自らの勢いでフェアウエーに食い込んだ

雨の日のプレー中のこと。
あるホールでプレーヤーの打ったテイショットがすごく高く上がり、落下したフェアウエーに突き刺さったように見えた。
行ってみると案の定、ボールは自分の勢いで地面に食い込んでいる……。

この判定は?
<無罰で拾い上げ>

よほど地面が雨で柔らかくなっていたのだろう。
このケースのように、ボールが自分の勢いで地面に作った穴(ピッチマーク)に食い込んでいる場合は、無罰で拾い上
げ拭くことができる。
ボールを拭いた後は、ホールに近づかす球のあった箇所にできるだけ近い場所にドロップすればいいのだが、これが認められるのは、スルーザグリーンの芝草を短く刈ってある区域、つまりフェアウエーやカラーの場合だけなので注意したい(規則25条‐2)。

●同伴競技者の落としたボールで動揺してミスショツトした

プレーヤーかテークバックしているときに、ちょうど同伴競技者が誤って自分のボールを落とし、それがプレーヤーのすぐそばに転がってきた。動揺したプレーヤーはミスショツトしてしまったが……。

この判定は?
<そのままプレー続行>

ゴルフの規則には「公正の理念」という考え方があり、適用できる規則のない場合は、公正の理念にしたがって処置することが定められている(規則1条‐4)。
このケースは、一見すると、公正の理念に従えば、無罰で打ち直しを認めてもよさそうに思える。
しかしこのケースを公正の理念にしたがって打ち直しを認めたら、突然、ガラスが鳴いたようなケースも救済を認めなければならなくなってしまう。
ゴルファーにとって気の散るような他者の行為は非常にたくさんある。
そうした状況でも気の散らない集中力をゴルファーは求められているのだ。

●バックスイングでボール後方の目土の砂を取り払う

ちょうどボールの5センチほど後ろに目土の砂がこんもり山状になっていた。
プレーヤーはとくに意識しなかったが、バックスイングでクラブヘッドがその砂に触れ、砂をとり払うような感じになってしまった……。

この判定は?
<無罰>

確かに後方にあった砂の山が取り払われたことで、スイングの区域の改善にはなったが、規則ではストロ−クのためにクラブを後方に動かす場合には改善があったとしても認められる(規則13条‐2)。
もちろんクラブで地面を強く押しつけるようなことがあってはならないが、通常のバックスイングの過程でならOK。したがって、この行為は無罰となる。

●ドロップしたボールがニヤレストポイントよりホールに近づいた

カード道路からの救済を受けることにして二ヤレストポイントを決めたところ、後方フェアウエーに。
規則どおりドロップしたが、ボールがニヤレストポイントよりホールに近づいてしまった。
ボールは2クラブレングス以上転がっていないし、最初にカート道に止まっていた所より近づいてもいないが……。

この判定は?
<再ドロップ>

カード道からの救済を受ける手順としてニヤレストポイントを決めたところ、それが後方のフェアウエーになったケース。
ニヤレストポイントを基準に規則どおりにドロップしたわけだが、ニヤレストポイントよりもホールに近いところに転かっていった場合には、再ドロップしなければならない(規則20条−2CF(b))。
たとえ最初にあったところよりホールに近づいていなくても、無罰で再ドロップしなければならない。

●初球があると思われる地点よりも前で暫定球をプレーした

第1打を深いラフに打ち込み、紛失の恐れがあったので暫定球を打ったプレーヤー。
球が見つからなかったのですぐ諦め、捜索地点より前に飛んだ斬定球をフェアウエーから打ったところ、暫定球をショットした地点よりさらに前で初球が見つかった……。

この判定は?
<暫定球でプレー続行>

ロストの恐れがあるからと打った暫定球が、初めにボールがあったと思われる地点、つまりこの場合の捜索地点だが、それよりも前でプレーされたら、その暫定球はインプレーのボールとなり、初めの球は紛失したものと見なされる
(規則27条−2b)。
ここでポイントとなるのは、ボールがあったと思われる地点が基準ということ。
いくら最初に打ったボールが暫定球を打った地点よりも前で見つかっても、そのことは、何の関係もないというのが規則なのだ。
したがってフェアウエーから打った暫定球のショットが4打目。
そのままプレーヤーは暫定球をプレーし続けなければならない。

●日差しがまぶしかったのでキャディを日除けに立たせてショット

もう夕方になりつつあった18番ホールでのプレー中、ショットしようとしたプレーヤーの顔に低くなった夕方の日差しがまともに当たってまぶしく打ちづらかった。
そこでキャディを間に立たせ日差しをさえぎってショットした……。

この判定は?
<2打罰>

ゴルフはひとりでプレーするスポーツ。
ということで規則では、プレーヤーがストロークをするときに、他人から物理的な援助を受けたり、風雨などを避けるための保護を受けたりすることを禁止している(規則14条−2)。
直射日光がまぶしいのでそれを避けるのは、風雨などを避けることと同様の行為。
プレーヤーは援助を受けてショットしたことになるため、2罰打がつく。
自分のことは自分で解決することがゴルファーの基本姿勢ということなのだ。
このケース、プレーヤーはショットしてしまったのだから2罰打を加えて引き続きその球をプレーし続けることになる。

 

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