林の中でのジャッジで意外なゴルフルール

林に中でこうなった時のルール判定は?

ここでは林の中で起こる様々な状況での意外なゴルフルールについて紹介して行きましょう。

●スイングの妨げとなるOB杭を取り除く

林の奥深くボールを打ち込んだプレーヤー。
行ってみると、ボールのすぐ後ろにOB杭があってスイングできない。
そこでプレーヤーはOB杭を動かせる障害物として抜いてショットした……。

この判定は?
<2打罰>

OBの境界を示す杭は規則上は固定物として扱われる。
そうした固定物を動かして、自分の意図するスイングの区域を改善する、つまりこのケースのようにOB杭があったら振れなかったクラブが取り除くことで振れるように改善されることは規則で禁止されていて2罰打がつく(規則13条‐2(イ)。
ここで覚えておいて欲しいのは、OB杭を抜いた時点ですでに反則だということ。
つまりショット前にOB杭を戻しても反則であることには変わりないのだ。
だから一度抜いてしまったら、どうせ2罰打は変わらないのだからそのまま打ってしまったほうがいい。

●スイングの妨げとなる木の枝の水滴を落としておく

強く雨の降った後のプレー中。
林の巾からショットしようとしたプレーヤー。
バックスイングで木の枝にクラブが当たりそうだったので、気が散ることのないように、あらかじめその枝を揺らして水滴を落としておいた……。

この判定は?
<2打罰>

クラブが木の枝に当たった瞬間、水滴が飛び散ったら、確かにミスショットしそうな気になるだろう。
それがわかっていたので、このプレーヤーは木の枝を揺らして、あらかじめ水滴を落としておいた。
賢い考えのようだが、実はこれは反則になる。
プレーヤーが自分の意図するスイングの区域を改善してはいけないとして禁止されている行為には露や霜、水を取り除くことが含まれている(規則13条−2(二))。
たとえその結果が、メンタル面にしか影響を与えないとしても、やはりスイングしやすい状況を作ってしまったのだから反則で2罰打がつくの。

●ボールの周囲の地面の様子をティペグを刺して確認

林の中のベアグラウンドからショットすることになったプレーヤー。
ボールの下に木の根や石が埋まっていたら手を傷めると考え、ショット前にボールの周囲の地面にティペグを刺して状態を確認した……。

この判定は?
<無罰>

確かにボールの下に石が埋まっていたり、木の根が伸びていたりしたら危ない。
知らすにショットすればクラブを損傷したり、手首を傷めたりしかねない。
林の中のようにその場に石や木の根が隠れている可能性が高い場合は、このケースのようにティベグなどを刺して確認してもよい。
ただし、その結果、ライや意図するスイングの区域が改善されたり、さらにボールが動いたりしないことはもちろんだ。

●誤球をアンプレヤブルにしてドロップ

林の中のとうてい打てないところでボールを見つけたプレーヤー。
アンプレヤブルを宣言し、規則にしたがって2クラブレングス以内にドロップしたところ、その球が誤球であることが分かった……。

この判定は?
<無罰>

誤球に対するプレーとして反則になるのは、ストロークした場合の話。
だから、このケースのようにアンプレヤブル宣言をして拾い上げたり、それをドロップしたからといって、まだストロークさえしていなければ罰はつかない。
一般に、ボールが拾い上げられている場合、ドロップしたりプレースしたときにインプレーの球となる(規則20条−4)が、それは正しいボールが拾い上げられていたときの話。
誤球はいくらドロップしてもインプレーの球にはならない。

●地面に落ちている大きな枝の邪魔な一部分を折り取ってスイング

ボールのすぐ後ろに大きな枝が落ちていたのを見たプレーヤー。
林の中でそれをどかすのはけっこう面倒そうだったので、スイングの邪魔になりそうな部分を折ってショットした……。

この判定は?
<無罰>

このケースで問題になるのは、大きな枝を何として扱うか。
もし大きな枝が固定物や動かせない障害物として扱われるなら、その一部分を折ることで意図するスイングの区域を改善したら反則になって2罰打がつく。
しかしこの木の枝は確かに大きくて動かすのは困難だが、人工の物ではないので動かせない障害物ともならないし、固定されているわけでもない。
やはりこの木の枝はルースインベディメントとして扱われるべきで、無罰で取り除く救済が受けられる(規則23条−1)。
そしてこのケースのように一部だけを折り取って救済を受けるのもOKだ。

●障害物からの救済を受けると、OB杭からの救済になる

ボールのすぐ後ろに木の支柱とOB杭があった。
それを見たプレーヤーは木の支柱に対して、動かせない障害物の救済を受けることにして、ボールを拾い上げ規則にしたがってドロップしたが……。

この判定は?
<無罰>

OBのゾーンの境界を決める杭は障害物ではないので、それだけでは救済を受けることができない。
しかしこのケースでは、同時に木の支柱という障害物が存在するため、動かせない障害物の救済を受けると、自然にOB杭からの救済も受けられてしまうことになる。
このようなケースでは、さすがのゴルフ規則も血も涙もないわけではなく、救済をOKとしているので、安心してドロップしよう。
ただし、木の支柱でスイングが妨げられることに不自然さがないという前提かあるのはいうまでもない。
たとえばその必要がないのに左打ちするなど、無理に変則スイングをする結果、支柱が邪魔だといってもそれは通らない。

●同じような場所に同伴競技者の球があり区別がつかない

同じ林方向にプレーヤーと同伴競技者の球が飛んだ。
行ってみると、ボールが2つ、同じようなエリアにあったが、偶然、同伴者もプレーヤーも同一ブランド、同番号のボールを使っていたので区別がつかない……。

この判定は?
<両者紛失球>

ボールが自分のものであると確認できない場合は、紛失球として扱わなければならない。
このケースでは、確かに2つのうち1つはプレーヤーのボールであろうが、どちらがプレーヤーのボールかはっきりしない限り、自分のボールという断言はできないはず。
結局、このケースでは両者とも紛失球として処理しなければならす、1罰打を加えて最後にショットした位置に戻って打ち直しだ。
両者ともセーフはセーフなのだから、それは厳しい……といわれても、ボールを決定する方法がない以上紛失球になる。

●木に引っかかっていて回収できない自分の球

同方向に飛んだボールを探していたプレーヤー。
木に引っかかるようなガサガサという音を聞いたので、たまたま持っていた双眼鏡で見てみると、枝に引っかかっていた自分の球を発見したが高くて到底回収できない……。

この判定は?
<アンプレヤブル>

林に打ち込んだ球が樹上に引っかかってしまうケースは、ときおり見られる。
このケ−スでは、双眼鏡により自分のボールであることが確認できているので、たとえ手元に回収できなくとも、紛失球として処理する必要はない。
ただし、そのボールをプレーするのは不可能な話なのでアンプレヤブルとして処理することになる。
同様に木に引っかかっていて回収できないボールが見えていて、おそらく自分のものとは思われたとしても、最終的に自分のものとは確認きないときには、アンプレヤブルにするわけにはいかす、紛失球の処置をとらなければならない。

●木の上の球をアンプレヤブルにするとき真下を基点にドロップした

木の上のボールが自分の球と確認できたが、回収は不可能。
そこでアンプレヤブルとして処理することにしたが、このときにボールの真下の地面を基点に2クラブレングスの範囲で規則に認めれている地点にドロップした……。

この判定は?
<無罰>

アンプレヤブルの処置のひとつに、1罰打を加え、ボールのあった地点から2クラブレングス以内で、しかもホールに近づかないところにドロップという方法がある(規則28条‐b)。
この処置をとるには、ボールのあった地点を基準にしなければならないのだが、このケースのようにボールが樹上に
ある場合は、どこを基点にすればいいのか。
やはりそれは無理に樹上の点を基点とするのではなく、ボールのあった地点の真下の地面を基点とすることが規則では認められている。
したがって、ごく稀な状況ではあるが、ドロップ位置がグリーン上となる場合もありえないわけではない。

●「自分ならアンプレヤブル」と同伴競技者に語りかける

林の中の深い茂みに同伴競技者のボールがつかまっていた。
それを見たプレーヤーは、これはとうてい打てないと思ったのか、悩んでいる同伴競技者に「僕ならアンプレヤブルにするな」と語りかけてしまった……。

この判定は?
<2打罰>

プレーヤーの言葉は自分の場合をいっただけで、同伴競技者のボールについて言及しているのではないともとれるし、アンプレヤブルという規則に関する一般論的な発言だともとれる。
だとすると規則で禁止されているアドバイスにはあたらないのだが、残念ながらこのケースでのこういった発言は、同伴競技者がプレー上の決断を行うにあたり、十分影響を与えることが考えられる。
したがって、このプレーヤーの発言はアドバイ
スとなり2罰打がつく。
ゴルフは自分自身の決断が大事なスポーツなのだ。

 

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