ウオーターハザードでの意外なゴルフルール

ウオーターハザードでこうなった時のルール判定は?

ウオーターハザードで起こる様々な状況での意外なゴルフルールについて紹介して行きましょう。

●ウォーターハザードに人つたかもしれないので暫定球をプレー

テイショットがウオーターハザード方向に飛んだのを見たプレーヤー。
「池に入っているかもしれないので暫定球を打つ」と宣言してもう1球ボールを取り出し、ティグラウンドからショットした……。

この判定は?
<暫定球でプレー>

そもそも暫定球が打てるのは、ウオーターハザード外でボールがなくなった恐れのあるときと、0Bの恐れのあるとき。このケースのようにウオーターハザードに入ったかもしれないので暫定球を打っておくというのは、ゴルフ規則上は成立しない。
したがって、このケースでは、ティグラウンドから打ち直しているので、プレーヤーが暫定球と称したボールが1罰
打を加えたうえでインプレーとなる。
暫定球が飛んだところからショットする次打は4打目ということになる。

●ウォーターハザード内の草に素振りで触れる

ウオーターハザード内の水のない地面にボールがあったので、プレーヤーはそのままショットすることにした。
その際、素振りで何回もウオーターハザード内の草にクラブが触れていた……。

この判定は?
<無罰>

規則では、球がハザード内、つまりバンカーやウオーターハザード内にあるときに、事前にクラブでそのハザード内の地面や水また、落ちている小枝などに触れることを禁止している(規則13条−4b)。
したがってウオーターハザード内の地面に素振りで触れていたのだったら、間違いなく反則になるが、このケースで触れているのは、ハザード内に生えている草。
同じ規則で、ハザード内の草や樹木といった生長物にはいつでも触れることができると明記されている(規則13条−4注)。
ただしその素振りで草に触れることによって、スイングの区域を改善したりハザードの状態をテストしたりすることがあれば、それは反則になる。

●ウォーターハザード内の橋の上のボールを打つときソールする

ウオーターハザード内の橋の上にボールが止まってしまった。
そのままショットすることにしたのだが、ボールをストロークする際にアドレスでクラブを橋の上にソールした……。

この判定は?
<無罰>

ウオーターハザードの限界は垂直に上方に及ぶので、池にかかっている橋の上のボールはウオーターハザード内のボールとなる。
そのボールをショットするときに、プレーヤーが橋面の上にソールしてしまったわけだ。
通常、ウオーターハザード内の地面にソールしたら反則で2罰打がつくが、いくらハザード内とはいえ、いつでもクラブで触れることができるものとして、すでに説明した生長物以外に障害物も指定されている(規則13条‐4注)。
橋は人工の物件であるから、問違いなく障害物。
したがってこのケースのようにソールすることがあってもそれは無罰でOKなのだ。
ただし動かせない障害物からの救済は受けられない。
規則で球がウオーターハザード内にあるときを除くとされている(規則24条‐2b)から。

●池に球が入ったと思い元の位置から打ち直したら初球が池の外に見つかる

ティショットのボールがウォーターハザードに飛び込んだと思ったプレーヤー。
その球を最後にプレーした箇所から別の球をショットしたが、そのあとで最初の球がウオーターハザードの外で見つかった……。

この判定は?
<別の球がインプレー>

通常のウオーターハザードにボールが飛び込んだときは、可能なら水の中に入ってそのままプレーしてもいい。
しかし、ボールがあってもプレー不可能なときおよびボールがウオーターハザードに入ったことは確かだが見つからないときには1罰打を加えて、その球を最後にプレーした所のできるだけ近くでプレーするか、ボールが最後にウオーターハザードの限界を横切った地点とホールを結んだ線上でウオーターハザードの後方にあたる部分にドロップするかのいずれか(規則26条1−a、b)の処置をとる。
このケースでは前者の処置をとっているのだが、その後にボールがウオーターハザード外で見つかった。
それでも、すでにストロークと距離の罰を選択しているので別の球がインプレーとなり、最初の球は紛失球となる。

●奥のバンカーからグリーン越えて池に。再びバンカー内からショット…

第2打がグリーン奥のバンカーにつかまったプレーヤー。
バンカーショットがトップしてグリーンを飛び越し、グリーン手前の池に飛び込んでしまったので、1罰打を加えて再びバンカー内からショットした……。

この判定は?
<OK(1打罰)>

ボールがウオーターハザードに飛び込んでいるのだから、その処置にしたがってプレーをすればいい。
ウオーターハザードにボールが飛び込んだときの処置のひとつは、ボールがウオーターハザードの限界を最後に横切った地点とホールを結んだ線上でウオーターハザードの後方にドロップ。
だから、このケースではグリーン手前の池のさらにティグラウンド側に戻って後方線上にドロップしてプレーするか、最後にその球をプレーした地点にできるだけ近い所、つまり奥のバンカーからショットした地点にできるだけ近くにドロップだ。
したがってプレーヤーの行為は反則ではない。
ちなみにどちらの処置をとるにせよ1罰打がつく。

●第1打と暫定球が同じ番号。そのうち1球が池で見つかったが…

第1打が池付近の茂みのほうに飛んだので、プレーヤーは紛失球の恐れがあるとして暫定球を打ったところ、その暫定球も池の方向へ。
しかも同じ番号のものを使ってしまったことに気づき、行ってみるとそのうちの1球だけが池の中で見つかった……。

この判定は?
<暫定球として処置>

市販のゴルフボールは同じ箱の中に同じ番号のものが入っていることが多いので、注意しないとこのケースのように初球と暫定球で同じ番号のものを使ってしまうことがある。
しかもこのケースでは、ボールが同じような方向に飛び、1球だけがウオーターハザードの中で見つかった。
当然、その球は初球かもしれず、暫定球かもしれないのだが、こうした場合にゴルフ規則は自分が有利になるように
は判定させてくれない。
ウオーターハザードの中で発見されたのは暫定球として処理する。
初球は紛失球とみなされるので、池に入れたのは3打目。
次打はそのまま打つのでなければウオーターハザードの1罰打を加えて処置し5打目としてショットすることになる。

●ウオーターハザード内のボールを打つためにハザード外にソール

ボールがウオーターハザードの境界線に触れるようにして発見された。
ボールはハザード内にあったわけだが、そのボールをそのまま打つことにしたプレーヤー。
アドレスでボールの後方のハザード外の地面にソールした……。

この判定は?
<無罰>

球がウオーターハザード内にあるとき、クラブでハザード内の地面に触れることは規則で禁止されている(規則13条−4b)。
したがって今回のケースでももしウオーターハザード内の地面にソールしていたのだったら、これは反則になるのだが、プレーヤーがソールしていたのはウオーターハザード外の地面。
だから反則にはならす、無罰でOKなのだ。
ボールがハザード内にあるからといって、必ずソールしてはいけないというわけではないので覚えておくといい。

●斜面に止まっていた球が同伴競技者の不注意で池の中に転がり込む

池に向かって低くなっている斜面にプレーヤーのボールはかろうじて止まっていた。
しかしその横を同伴競技者が通り抜けたときの振動でボールの下の草が揺れ、ボールが動きだして池に転がり込んだ……。

この判定は?
<無罰でリプレース>

斜面に止まっていた球がだれか、あるいは何かのせいで池の中に転がり込んだとしよう。
その何かが風であったら、その球は止まった位置からプレーしなければならないので、プレーヤーは池の処置をとるしかない。
しかし、このケースのように明らかに同伴競技者のせいでボールが転がり落ちたようなときは、プレーヤーは罰なしにボールをリプレースすることができる。
もちろん同伴競技者にも罰はつかない。
転がり込んだのがプレーヤーのせいなら、プレーヤーに1罰打がつきボールはリプレースすることになる。

●ティショツトがラテラルウオーターハザードに飛び込んだ場合の処置

あるプレーヤーのティショツトがラテラルウオーターはザード(ホールと平行して流れている小川など)と指定されているクリークに飛び込んンだ。そのときの処置方法は……。

この判定は?
<プレー可能は4か所>

ラテラルウオーターハザードの処置に関しては、きちんと整理して覚えておくといい。
プレーヤーがティグラウンド(A点)からプレーした球がB点でラテラルウオーターハザードの限界を横切り、ハザード内のC点に止まったとする。
このとき対岸でホールからB点と等しい距離にあるラテラルウオーターハザードの限界をD点とする。
プレーヤーは球をあるがままの状態でプレーするか、1罰打を加えて次のいずれかの処置をとることができる。

@ティグラウンドからプレー。
最後にプレーしたところに最も近い地点ということなので、第1打が飛び込んだならティグラウンド。
第2打が飛び込んだなら第2打地点からプレー(規則26条-1a)

AホールとB点を結んだ線上でラテラルウオーターハザードより後方、つまり対岸のラインE上にドロップ(規則26条-1b)

Bハザードの手前側でB点から2クラブレングス以内かつB点よりホールに近づかないところにドロップ(規則26条−1c)

Cハザードの向こう側でED点から2クラブレングス以内かつD点よりホールに近づかないところにドロップ(規則26条−1c)

現実には対岸に行きにくいためにラテラルの指定をしている場合が多く@、Bの処置がとられることが大半。

 

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