ラフでのジャッジで意外なゴルフルール

ラフでこうなった時のルール判定は?

ここではラフで起こる様々な状況での意外なゴルフルールについて紹介して行きましょう。

●球の確認のためにラフの中のボールを拾い上げた

ティショットをラフに入れたプレーヤー。
行ってみると、ラフにボールが半分潜っていて自分のボールかどうかわからない。
そこでプレーヤーは同伴競技者に「球の確認のために」と宣言したがマークせず球を拾い上げ、回して調べた……。
この判定は?
<1打罰>

ゴルフ規則では、自分の球かどうか確認するために、その球を拾い上げ、自分の球かどうか確かめるために必要な限度まで拭くことを認めている(規則12条−2)。
しかし、その場合の方法として、まず同伴競技者に球を確かめる旨の意思を告げ、ボールをマークして拾い上げ、必要なだけ拭く。
そのときに「球を確認する」と告げた人に立ち会う機会を与えるのが正しい手順。
このケースではボールの位置をマークせすにボールを拾い上げるという間違った方法でボールに触れたために反則となり1罰打がつく。
ボールはリプレース。
マークさえしておけば、そして拾い上げたことで必要以上にきれいにしなければ無罰だったのに。

●OB杭を障害物とみなして救済を受ける

ティショットをティグランドから見えるOB杭方向に飛ばしたプレーヤー。
何とかセーフだったが、行ってみるとボールがOB杭のすぐ前にあった。
そこで動かせない障害物からの救済を受けることにしてボールを拾い上げた……。


この判定は?
<1打罰>

障害物とは人工の物件をいうが、アウトオブバウンズの境界を示す杭は障害物にはあたらないことが規則には明記されている。
したがってこのケースでは、障害物からの救済を受けることはできなかったのに間違えてプレーヤーは拾い上げているから、インプレーの球に触れてしまったことになり1罰打がつく。
もちろんプレーヤーはショット前に元の位置にその球をリプレースしなければならない。
リプレースを怠ると合計で2打の罰がつくから気をつけたい。

●ルースインペディメントを取り除くとき偶然、球に触れた

ラフに飛んだボールの所に行ってみると、ボールのすぐ後ろに折れた小枝が落ちていた。
プレーヤーはその小枝が邪魔なので、ルースインペディメントとして取り除いたが、そのときに偶然、自分のボールに触れてしまった。
ボールが動くことはなかったが……。

この判定は?
<無罰>

規則でインプレーのボールに触れることが禁止されているのは、プレーヤーが故意に触れた場合(規則18条−2a)。このケースのプレーヤーは、ボールに触れようとしたのではなく、ボールのすぐ後ろのルースインベディメントを取り除こうとしたら、偶然、ボールに触れてしまっただけ。
たまたまボールに触れて、動かなかったこのケースでは、プレーヤーに罰はつかない。
そのままプレーを続行すればいいのだ。

●再ドロップを繰り返し、結局3回ドロップした

ボールがラフの排水口のフタの上に止まっていたので、動かせない障害物からの救済を受けたプレーヤー。
規則に従ってドロップしたが、ボールが元の位置よりもホールに近づいたので再ドロップ。
すると再びホールに近づいてしまったので、また拾い上げ合計3回目のドロップでOKの位置に止まったのでショットした……。

この判定は?
<2打罰>

規則で定められている再ドロップを要する状況にボールが転がり込んだら、ます再ドロップ。
そして、再ドロップが同じく上記のような状況に転がり込んだときは、再ドロップの球が最初に地面に落ちた位置でできるだけ近いところにプレースが正しい処置だ(規則20条-2C)。
つまりドロップは2回までなのだが、このケースでは3回してしまいショットしているので2罰打がつく。
ただしショット前に反則に気づきプレースし直せば無罰でOK。

●ボールに付着していた芝草をそつと取り除く

ラフに飛び込んだボールに1本、目立つ長い芝生が付着していた。
このままでは、何か気分が落ちつかないと、プレーヤーはその芝草をそっとボールに触れないようにして取り除いた……。

この判定は?
<1打罰>

ルースインペディメントとして認められないものの中に、球に付着しているものがある。
したがってこの芝草はルースインベディメントではないから無罰で取り除くわけにはいかない。
また規則でボールを拭いてきれいにすることが認められているのは、拾い上げたときだけだ(規則21条)。
ということで、このケースではボールに付着した芝草を取り除き、ボールをきれいにすることはできないから1罰打がつく。

●コースに捨てられた球がボールのすぐそばに止まっている

ラフのボールのすぐ後ろに明らかにコースに捨てられていたと思えるボールがあり、2つのボールは接しているかのように見えた。
そこでプレーヤーは捨てられていた球をそっと取り除いた……。

この判定は?
<無罰>

規則では自分のプレーの援助や妨げになるボールは拾い上げを要求できる(規則22条)が、それは両者ともインプレーのボールの場合に適用されること。
このケースのように、明らかに捨てられているボールは、わざわざ持ち主を搜して拾い上げを要求する必要はない。ボールは人工の物件なので、十分に障害物となる条件を備えているから、動かせる障害物として無罰で素直に取り除けばいいのだ。

●バンカーレーキを取り除いたら引っかかっていた球が動いた

バンカー方向に飛んだボールがさいわいバンカーレーキに引っかかり、バンカー内に転がり込まずにラフの傾斜に止まっていた。
だが、レーキを取り除いたところボールがバンカーに転がり込んだ。

この判定は?
<無罰でリリース>

バンカーレーキは動かせる障害物なので、無罰で取り除くことができる。
そのときボールが動いた場合は、リプレースしなければならない。
このケースのようにボールの動いた原因が、障害物の取り除きに直接的に結び付けられるときは無罰でOKだ(規則24条−1)。
レーキを取り除いたらボールが動く可能性が高いときには、その後のリプレースに備えて、ボール位置をマークしておくといい。

●3分探して見つけて打ったら誤球。再捜索の残り時間と罰打は?

ラフに飛び込んだボールがなかなか見つからなかったが、3分ほどしたところで発見。
ショットしたら誤球たったことがわかって、再び自分のボールを探し出してから4分後にようやく見つかってショット……。

この判定は?
<2打罰・残り時間は2分>

5分間以内にボールが見つからなかったら紛失球になり、プレーヤーは最後にストロークした位置に戻っで1罰打を加えてショットしなければならない。
自分のボールを探す時間は5分間。
このケースでは最初3分費やしたのだから、残り時間は2分間たった。
その間に、勘違いして誤球をプレーしたことは、この場合関係なくなる。
問題はプレーヤーがさらに4分間費やしてしまったこと。
このショットをした段階では、その球はすでに紛失球(5分以上経過していたので)だったのだから、プレーヤーは誤球をショットしたことになり2罰打がつく。
そのうえで紛失球の処置をやり直す。
つまり紛失球の処置の1罰打をさらに加えて最後にストロークした場所に戻るのだ。

●3分たったところで紛失球宣言。打ち直しに戻っているところでボール発見

ラフに飛び込んだボールがなかなか見っからなかったので、3分たったところで紛失球を宣言したプレーヤー。
最後にプレーした場所に戻っているうちに最初の球を同伴者が見つけた。
まだ時問は計4分しかたっていない……。

この判定は?
<最初の球をプレー>

紛失球の定義には、プレーヤーが紛失球宣言をした時点で、紛失球になるとはどこにも書かれていない。
つまりプレーヤーは自ら紛失球を決定することはできないということなのだ。
このケースでは捜索開始から4分間でボールが見つかっているのだから、その最初にプレーした球でプレーを続けなければならない。
一度、気持ちを切り換えて紛失球宣言したのにやりにくいかもしれないが、紛失球のペナルティよりも幸せなのだから、喜んでショットすべきである。

●グリーンが空くのを待つ間にプラスチック球を取り出してショット

セカンド地点のラフでグリーンが空くのを待っていたプレーヤー。
前の組のプレーに時間がかかっていたので、バッグから練習用のプラスチック球を取り出して林に向かってショットした……。

この判定は?
<2打罰>

確かに規則によって禁止されているのは練習ストロークで、このケースはゴルフボールを打ってはいないのだから、ストロークではないのではないかという疑問も生じるだろう。
しかし、このプラスチックの練習用ボールを打つという行為は、まさに、「練習ボール」の名が示すとおり練習になる。したがって1ホールのプレー中の練習を禁止している規則に抵触するので反則になり、2罰打がつく。
グリーンが空くのを待つ間は素振り程度で我慢しなければならないのだ。

●幅30センチの舗装道路の右端に球があったが左側にドロップ

残り160Yの右サイドのラフにある舗装道路にボールが止まった。
ボールは幅30センチほどの舗装道路の右端に止まっていたが、動かせない障害物からの救済を受ける際にプレーヤーは舗装道路の左側にドロップした……。

この判定は?
<無罰>

舗装道路の右端にボールが止まっていたら右側にドロップ位置を求めるとは限らない。
大事なのはドロップするときの基準となる二ヤレスポイントの位置。
ニヤレスポイントは、その障害を避けうる場所の中でホールに近づかす、しかも球のある所に最も近いポイント。
このケースの障害を避けうる場所は、左側に出すなら舗装道路さえ外れればボールが打てる。
つまり最大、道幅の30センチ強動かせばOKだが、右側にドロップするためにはスタンスがかからないようにしなければならない。
残り160Yで使うクラブで構えて決めるのだが、だいたい、1メートル前後動かすことが必要になるはず。
したがってニヤレスポイントは左側になり、そこからボールに近づかず1クラブレングス以内にドロップしていればOKなのだ。

 

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